意見照会書が届いたら?適切な対応方法を弁護士が解説

プロバイダ(アクセスプロバイダやプラットフォーム等)から「意見照会書」が届いた場合、対応次第で結論が大きく変わります。
焦って感情的に書くのは禁物です。まずは期限・対象投稿・請求内容を確認し、同意/不同意/回答方針を整理しましょう。
※本記事は一般的な情報提供であり、個別事案に対する法的助言ではありません。
1. 意見照会書とは(何が起きている?)
意見照会書は、発信者情報開示請求(投稿者特定手続)の過程で、プロバイダ等が投稿者(契約者)に対して
- 「あなたの情報を開示してよいか」
- 「開示に同意するか、不同意か」
- 「意見があれば書いてください」
と確認するために送る書面です。
ここでの回答が、開示の実務判断・裁判手続の進み方に影響することがあります。
一方で、不同意=絶対に開示されないという意味ではありません。権利侵害が明白である等と裁判官が判断すれば開示されます。
2. まず最優先で確認する3点(到着直後にやること)
(1) 回答期限(締切日)
意見照会書には通常、回答期限が明記されています。
期限を過ぎると「回答なし」として処理されることがあり、後から主張を組み立てにくくなる場合があります。
(2) 対象投稿(URL・レス番号・日時)
以下を一致確認してください。
- 対象の URL / 投稿ID / スレッドURL
- レス番号(掲示板の場合)
- 投稿日時(タイムゾーン含む)
- 記載されている IPアドレスやログ情報(あれば)
「自分の投稿ではない」「家族・同居人」「共有Wi-Fi」など、事実関係の入口がここで決まります。
(3) 開示される情報の範囲
一般に開示対象になり得るのは、例として
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス(登録状況による)
などです。書面の記載を確認し、何が開示される可能性があるのかを具体的に把握してください。
3. 回答の選択肢は3つ(同意/不同意/回答しない)
A. 同意する
同意すると原則として契約者情報が開示が進みます。
その後、相手方(請求者)から示談交渉や請求が来る可能性があります。
B. 不同意にする
不同意は、「現時点で開示に賛成しない」という意思表示です。
ただし、請求者が裁判手続(仮処分・訴訟等)に進めば、結果的に開示される可能性は残ります。
不同意にする場合でも、書き方が重要です。
「感情的な反論」ではなく、法的に意味のある争点を、短く整理して書くのが基本です。
C. 回答しない(無回答)
無回答はおすすめしません。
プロバイダ側が「意見なし」として処理し、手続が進むことがあります。少なくとも、期限内に何らかの意思表示は行うべきです。
4. 不同意にするなら、意見欄に何を書くべきか(基本方針)
不同意の理由は、事案により様々ですが、典型的には次の類型です。
(1) 投稿者性の争い(そもそも自分が投稿していない)
- 記載された日時に利用していない
- 同居人・家族・従業員が利用している可能性
- 店舗・共有Wi-Fi・テザリング等で第三者の可能性
- 端末が盗難・不正利用された可能性
※ここは事実関係の精査が必要です。虚偽の記載をすると後で不利になります。
(2) 権利侵害の争い(違法とは言えない)
- 具体的事実の摘示ではなく、意見・論評の範囲
- 表現が抽象的で、権利侵害が明確でない
- 投稿が誰を指しているのかわからない
- 真実性・相当性、公的利害等(ケースにより検討)
※「書いた内容が正しい」だけでは足りず、法的評価の組み立てが必要になる場面が多いです。
5. やってはいけない対応
- 感情的な長文を意見欄に書く
- SNSや掲示板で追加投稿
- 虚偽の説明
- 放置
6. 相談すべきタイミング(弁護士に持ち込む判断基準)
次のいずれかに当てはまるなら、早期相談を推奨します。
- 回答期限まで日数が少ない
- 対象投稿が 名誉毀損・侮辱・プライバシー などになり得る
- 既に相手方から 示談要求・損害賠償請求 が来ている
- 投稿者性(誰が書いたか)が複雑(家族・従業員・共有回線)
- 職場・取引先・家族にバレたくない
- 「不同意にしたいが、何をどう書くべきかわからない」
短期間での整理が必要なため、プロに依頼したほうが良いです。
7. 回答文のサンプル(一般例)
※以下は一般例です。事実と異なる記載はしないでください。
不同意(投稿者性を争う例)
「本件投稿は私の投稿ではありません。記載日時に当該投稿していないため、開示に同意しません。」
不同意(権利侵害を争う例)
「本件投稿は意見・論評の範囲に留まり、権利侵害が明白とはいえないため、開示に同意しません。」
同意(淡々と意思表示する例)
「貴社所定の手続に従い、開示に同意します。」
※実務では、不同意の「理由」をどこまで書くかは戦略です。
書きすぎると不利になることもあるため、迷う場合は相談してください。
8. よくある質問(FAQ)
Q1. 不同意にしたら絶対に開示されませんか?
いいえ。不同意でも、請求者が裁判手続等に進めば、開示される可能性はあります。
Q2. 無回答が一番安全ですか?
おすすめしません。無回答は「意見なし」として処理されることがあり、後から主張を追加するのが難しくなります。
Q3. 会社や家族にバレずに進められますか?
弁護士に依頼した後、開示に同意した場合は、弁護士が通知を受け取ることになるため、会社や家族にバレるリスクを減らすことは可能です。
Q4. 相談はいつがベスト?
意見照会書が届いた直後が最も効果的です。期限が短いため、後回しにするほど選択肢が減ります。
9. まとめ:意見照会書が届いたら、この順番で動く
- 1期限を確認(最優先)
- 2対象投稿を特定(URL・日時・内容)
- 3同意/不同意の方針決定
- 4不同意なら理由を整理して回答
- 5迷う・不安が大きいなら、期限前に弁護士へ相談
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